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齋藤 宏一(さいとう こういち)

「Harvard Law School留学記」



Corporations A3

秋学期に私が履修することとした2つ目のコースは、Corporations A3です。
Corporationsは履修する学生が多いため、複数のコースが用意されています。秋学期にはCorporations A1、Corporations A2、Corporations A3の3つあって、内容は同じですが、教授が異なるため、区別されています。ちなみに、A1はKraakman教授、A2はRamseyer教授、A3はSubramanian教授が教えています。


Subramanian教授は、Harvard Law Schoolの企業法研究者の若手のホープで、ビジネスの知識も豊富です。ちなみに、Harvard Law Schoolの教授であると共に、Harvard Business Schoolの教授も兼任しています。HBSではNegotiationを担当しています。研究分野は主にDeal Makingで、Poison Pill、Lock-up、Antitakeover defense、Deal Protection、Deal Structure等に関する論文を多数執筆されています。授業の内容も、単にCaseを説明するだけでなく、Caseのバックグラウンド、当事者の経済的利害関係、Caseに関連する新聞記事、類似案件の紹介等、幅広い内容にわたっており、ビジネス志向の強い学生にとっては、この上ない授業内容だと思います。Subramanian教授については、下記のリンクをご参照ください。


http://www.law.harvard.edu/faculty/directory/facdir.php?id=445


さて、この教授の第一回目の授業に出てみて思ったのは、とにかくしゃべるのが速い!!という印象です。ネイティブのJDの学生にとってもかなり速いらしく、半分くらいの学生は、ラップトップでノートをとることをあきらめています。このクラス、昨年まではラップトップの使用が禁止だったみたいですが、多くの学生からのブーイングがあったため、今年からはラップトップの使用が許可になりました。しかし、あまりのしゃべりの速さのため、どこまで意味があるのか・・・。


使用する教材は、Allen、Kraakman、Subramanian, Commentaries and Cases on the LAW OF BUSINESS ORGANIZATION (second edition, Aspen, 2007) です。Subramanian教授ご自身が、第2版から執筆者に加わっております。ちなみに、Allen教授は、Delawareの元Chancellorで、1980年代後半から1990年代前半にかけてのM&Aの盛んだった時期に多くの有名な裁判例を出されている教授で、現在はNYUの教授をなさっています。Kraakman教授はHLSの教授で、Corporations A1をご担当されています。


Corporations の内容は、最初はエージェンシー理論から始まり、Partnership、LLC、LLP等のCorporation以外の組織を学び、それからCorporation総論、Creditor Protection(債権者保護)、Voting Right(議決権)、Proxy(委任状)、Normal Governance:Duty of Care(取締役の善管注意義務)、Conflict Transaction:Duty of Loyalty(取締役の忠実義務)、Shareholder Litigation(株主からの訴訟提起)、支配権異動、M&A、Public Corporationsにおける支配権異動、Rule 10b-5といった感じの内容です。会社法(Statute、Case law)が90%、証券取引法その他が10%といった感じです。証券取引法については、別途Securities Regulationsというコースで詳細を学ぶことが予定されています。


会社法を学び始めてすぐに気付いたのが、米国の会社法関連の裁判例がとにかく多いということです。日本の場合、裁判という形で争われるのは少なく、特に大会社においてはその傾向が強いのに対し、米国では、大会社・小会社を問わず、とにかく裁判で争われる事件が多い(何か不満があればとりあえず訴えようという感があります。)と思います。特に、M&Aについては、M&Aのリリースがあった直後に必ずといってよいほど数件の訴訟提起がなされており、M&Aと訴訟はつきものです。日本の場合、最近ではニッポン放送事件、ブルドッグ事件等、裁判という場で争われるケースが現われてきてはおりますが、全体のM&Aの数に比べれば、その数はごくごく僅かです。


Subramanian教授のしゃべりの速さにどこまでついていけるか不安ですが、とにかく前向きに頑張っていこうと思います。

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プロフィール

ハーバードブロガー:齋藤 宏一
齋藤宏一(さいとう こういち)
Harvard Law SchoolにてLL.M.(Master of Law)を専攻。法学部を卒業後、都内の法律事務所に在籍し、現在に至る。 専門分野は、Corporate Law(会社法)、Securities Regulation(証券取引法)、M&Aなど。

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