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齋藤 宏一(さいとう こういち)

「Harvard Law School留学記」



Law and Finance

これから数回のエントリーでは、秋学期にとったクラスについて書きたいと思います。
まずはProfessor Bebchukによる、Law and Financeです。といっても、何をやるクラスなのかさっぱりイメージできないかもしれません。


Law and FinanceのCourse Descriptionには、次のような説明があります。


"This course will consider a wide range of issues in law and finance and corporate governance. The issues to be considered include the allocation of power between managers and shareholders, corporate transactions (takeovers, freezeouts, and sales of control block), boards of directors, insider trading, executive pay, state competition in corporate law, corporate ownership structures, and shareholder activism. Some sessions will feature speakers, including both academics and prominent practioners, who will present their work and thinking about current issues and research in the area. Readings will be mainly from law review articles. Many of the readings will use economic reasoning, and familiarity with (or at least tolerance for) such reasoning will be helpful. The aim will be to give students a good sense of the issues that have been discussed in the literature and the ways in which the corporate law rules can be analyzed and criticized. The course will meet for twenty-two sessions during the semester. There will be no examination. Instead, students will be asked to submit, before sessions, a brief memo on the assigned readings; grades will be based on these memos (primarily) and on class discussion."


要するに、Corporate LawやFinance、Corporate Governanceに関する論文等(主にロー・レビュー)を読んで、主に経済学的な視点から批判的に分析し、討論するというコースで、たまにゲストスピーカーが来て、評価は平常点(セッション毎に事前提出が義務付けられるメモとクラス内での発言等)によってなされるというものです。


Professor Lucian A. Bebchukは、米国で最も有名なCorporate Lawの教授の一人です。同教授は、イスラエル出身の教授で、同国内で法律の学位を取得した後、HLSにてLL.M.とS.J.D.を取得し、併せてHarvard University Graduate School of Arts and ScienceのDepartment of EconomicsにてEconomicsのPh.Dを取得し、その後Harvard Law SchoolのFacultyの一員となったという経歴の持ち主です。
Bebchuk教授につきましては、下記のサイトをご参照ください。
http://www.law.harvard.edu/faculty/bebchuk/


授業の進め方につきましては、週2回(又は3回)のセッション毎に課題のArticleが指定され、それを読んで、2つのコメントをまとめたメモランダムを各セッションの始まる前にクラスサイトにアップロードして提出し、教授がそれに基づいていろいろな問題提起を行い、皆でそれについてディスカッションをするという形式のクラスです。どちらかというと講義というよりもゼミに近い感じの授業です。


課題の論文については、各セッションにつき異なるトピックを取り上げており、Corporate LawとSecurities Lawの幅広い分野にわたり網羅しています。そして、基本的に各トピックについて最も出来がよいと評されている論文が課題に指定されるので、読む量は半端ではありませんが、きちんとこなせばなかなか勉強になる授業だと思いました。


第1週目の最初の授業のテーマは、Corporate Election(取締役の選任)でした。
課題の論文は、Lucian A. Bebchuk, "The Myth of the Shareholder Franchise," 93 Virginia Law Review 675 (2007) と、Martin Lipton and William Savitt, "The Many Myths of Lucian Bebchuk," 93 Virginia Law Review 733 (2007) の2つの論文でした。
最初の論文は、取締役の選任について株主権を拡大する方向で改革する提案を行っているのに対し、後者の論文がそれに対し批判を展開しているというものです。ちなみに、最初の論文に対しては、多くの批判的論文(これを俗に"response"といいます。)が公にされています(上記教授のWebサイトをご参照。)。


2回目のセッションのテーマは、Executive Compensation (役員報酬)でした。
課題の論文は、Lucian A. Bebchuk and Jesse Fried, "Pay without Performance: Overview of the Issues," 17 Journal of Applied Corporate Finance 8 (2005)、Bengt Holmstrom, "Pay without Performance and the Managerial Power Hypothesis: A Comment," 30 Journal of Corporation Law 703 (2005)、Steven Kaplan, Testimony on "Empowering Shareholders on Executive Compensation," Before the Committee on Financial Services United States House of Representatives, March 8, 2007の3つの論文でした。
役員報酬については、Bebchuk教授が2004年に本を出版していることもあって、教授の関心分野であります。


週に4~5本の論文を読むのは結構骨が折れます。。。

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プロフィール

ハーバードブロガー:齋藤 宏一
齋藤宏一(さいとう こういち)
Harvard Law SchoolにてLL.M.(Master of Law)を専攻。法学部を卒業後、都内の法律事務所に在籍し、現在に至る。 専門分野は、Corporate Law(会社法)、Securities Regulation(証券取引法)、M&Aなど。

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