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「リーダーシップ」の総括

リーダーシップのファイナルペーパーも戻ってきたので、この科目だけ少し細かに総括しておきましょう(ダメダメだった他の科目の総括こそ必要!という正論が聞こえてきますが)。

私の独断に基づくと、このクラスの本質は「自己主張して引っ張ることがリーダーと思っているアメリカ人の誤ったリーダー像を修正させる」ものであったと思うのです。というのも「道(Tao)」や「協働」といった東洋的な概念が非常に応用可能だと感じたからです。私がこのクラスのメッセージを一言で要約するなら「リーダーになりたければ人の話を聞け」ということになります。

普段のペーパーを採点するTAからのコメントにも以下のようなものがありました。

"You are right. More people should think of the "common good." I always admire Japanese for their dedication to the public overall good. My sister lives in Japan and I've visited her there (Kyoto). I was amazed how much people thought "together."

「(「アメリカ人は人の話を聞くよりもまず自己主張をと思いがち。これによって貴重な学びの機会を逸している」という)君の指摘は正しい。より多くの人間が「公益」を考えなくてはいけないんだ。この点、私は日本が行っている「全体の利益」への献身を重視する教育についていつも敬意の念を持っている。私の妹が日本に住んでいるので、京都を訪ねたことがある。そのとき私は「一緒に」という概念を人々が非常に重視していたことにとても驚いたんだ」

とありましたが、こういう概念をさまざまな方法でクラスメートが学びとっていく様子を見るのはとても興味深かったです。大教室での議論(特に始めのほう)は、多くの人が「発言すべきこと」ではなく「発言したいこと」を連発していたのでかなり迷走していましたが、幸いメンバーに恵まれたスモールグループ(8人)が非常に生産的でした。このメンバーとは今も月一回のペースで飲み会が行われています。


さて、始めの方はグループの議論がバカらしくて適当に書いていたスモールグループに関する毎週のペーパーも、2(B相当)連発とダメダメだったんですが、最後の方は3(A相当)がコンスタントに出るようになりました。上記の如く「この授業は東洋思想が応用可能。むしろ西洋人に違う価値観を教え、視野を広げさせるための授業ではないのか」と整理してからは理解が深まったようです。授業中やスモールグループでの議論を観察する限り、私はかなり深く理解できている方だなと感じていました。

後半になるとスモールグループの評価でも、

"Several of your small group members have pointed out that you are a very smart guy and that they really appreciate the comments you do make."

「スモールグループの何人かのメンバーは、君のことを非常にスマートで、その発言に心から感謝していると指摘していたよ」(人生で"smart"という称号をもらうのはこれが最初で最後でしょう・・)

とフィードバックがあり、自分なりの方法で貢献できたのではないかと考えています。

また、成績の40%を占める15ページのファイナルペーパーでは、自分のリーダーシップ失敗談と日本独特の文化について論じ、Aをもらいました。いつもはTAがコメントするのですが、今回は教授からもコメント(一部抜粋)が。

Taka,
Excellent work. I admire your courage self-reflections. Your analysis of the adaptive elements of the challenge of "learning from failure" is terrific.

「Taka、優秀な出来だ。君の勇気ある自省に敬意を払う。君の「失敗から学ぶ」という適応を必要とする挑戦に関する分析は素晴らしい」

ついでにTAのコメントも(こんなに誉めてもらえることなど全くないので長くなりました・・)。

It shows that you have been working hard on this paper. I find it interesting how you connect your case to the larger Japanese culture and introduce Japanese concepts such as lifetime employment, the need to protect one's honor and the impossibility of admitting to mistakes and I enjoyed reading your concluding paper part on how you see Japanese culture and its image of leadership to differ from that of the U.S. You nicely make use of some of the most important class concepts. A little more detail on the differences between leadership in Japanese and US cultures would have been interesting to read about.

「このペーパーから君の努力がうかがえる。終身雇用・世間体・間違いを認めない、といった日本的なコンセプトと君の経験をうまく結び付けている点が興味深かった。また、君の日本観と日米におけるリーダー像の違いについて述べた結論部分も面白かった。さらに、授業で扱った最も重要なコンセプトについてもうまく利用できている。ただ、日米におけるリーダーシップの違いについてもう少し詳細があればなお興味深かっただろう」

I've very much enjoyed working with you this semester. I wish you have a great next semester and good luck with your important work in Japan and the U.S.

「このセメスターを君と一緒に進めることができてとても楽しかった。次の学期も素晴らしいものであるように、そして君が日本とアメリカにとって重要な仕事を果たすことを祈念して」

結局、最初の5-6回ほどのペーパーがB相当だったのと大授業での発言の少なさでAを逃してしまったようです。「リーダー育成」を謳っている学校の「リーダーシップ」でA、というのは逃してみると大きな魚だったかもしれません。というか二年間もいたのにAはスピーチのクラスだけになってしまうのか・・

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プロフィール

山崎 貴弘
山崎貴弘(やまさき たかひろ)
MPI(Management Policy Institute)フェロー。2002年京都大学法学部卒業。現在、ハーバード大学Kennedy School of Government、MPP(Master in Public Policy)プログラム在籍中。Ezra Vogel教授の元で開催されるハーバード松下村塾幹事(2007年度)。
MPI:http://www.mpi-net.org/

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