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Legislature of North American(北米議会)へようこそ-2!

続きです。
まず「政治は数字が全て」ということで本議会のパワーバランスを見てみましょう。

【議会全体(議席数:65) 】
民主党(Democrats) 44議席 (67%)
共和党(Republicans) 16議席 (25%)
無所属(Independents) 5議席 (8%)

ということでさすがにケネディスクールはバリバリリベラルの牙城。これで「無所属と共和党を足しても21議席、すなわち3分の1にも満たない」という事実が明らかになりました。もう一議席あればちょうど全体の3分の1を超え、本会議での動議や投票方法へのイチャモン(採決方法への要求など)などもできるようになるのですが、共和党と無所属が一枚岩になっても残念ながらこれはできません。

次に、私が所属した商業委員会(Commerce Committee)のバランスも見てみましょう。

【商業委員会(議席数:13)】
D-10議席 (77%)
R-3議席 (23%)
I-0議席

ここではさらにパワーバランスが悪くなってしまいます。民主党議員が4分の3以上の議席を占め、数の上ではわれわれ共和党などほとんど相手にならないことがわかります。

ともあれこの状況を前提に、まずは全ての議員がbill(法案)を提出することが要求されました。私が書いた法案はざっくり言えばサブプライム問題について、

1. この手の金融危機に必要なのは「今目の前にある危機への迅速な対処」と「将来の(同様の)問題予防」の双方が不可欠である。
2.現時は他に例を見ない非常時であるから、公的資金で一気に不良債権を買い取るべきである。(危機対応)
3.さらに、今回の問題で見落とされがちなのは「金を返せないのに借りる」という資本主義の原則をぶち壊すような人たちがたくさんいたことである(実際は貸し手がかなりアコギなことをやっていたわけですが・・)。従って、現在無駄に住宅投資・保有へのインセンティブとなっている住宅優遇減税を全廃せよ。日本人は住宅を投資物件とは思っていない。アメリカ人はやり過ぎである。(問題予防)

という3段重ね。アメリカ人的に公的資金を入れる、ってのはちょっと気持ち悪かろうなと思いつつ提案しましたが、案の定委員会審議にも掛けられずあっけなく闇に葬られました

というのも数の上で民主党が「どの法案を審議するか」の権利を与えられており、我々共和党の意見はなかなか通りません。仕方がないので私も戦略を変えて、「今こそ党派を超えて危機に対処するべきである。私はRepublicanとしていっているのではない。patriot(愛国者)として述べておるのだあ!」というアメリカ人大好きの「今こそ我が偉大なるアメリカの危機→団結して自由と民主主義を守るために立ち上がるべきだ→国旗掲揚・国歌斉唱God bless America!!→感涙に咽ぶ(偏見)」という必勝パターンに持っていくことにしました。ということで「これは単なる住宅危機ではない!!我が偉大なるアメリカ資本主義の危機なのであーる!みなさん、共和党も民主党もないんです!一緒に立ち上がりましょう!」という感じの演説をぶちました。

これで息も絶え絶えながら多少勢いを得た私は、マイノリティ感満載の中、委員会審議で大多数の支持を得ている法案の中に、自分の修正(amendment)案を通すことに成功します。仕方がないのでコバンザメ戦略(本体は民主党に任せて何とか自分の意向をねじ込む戦法)ということです。

今回の修正案はこんな感じ。
1.民主党の提出した法案は素晴らしい。しかし、住宅保有者の救済に偏っていて、大変なダメージを受けている銀行セクターの危機については何も触れられていないことが問題だ。
2.特に、現在の銀行セクターにおける自己資本毀損が広く産業セクターに悪影響を与える可能性を看過できない。
3.従って、銀行が自己資本の充実を図れるよう、公的資金を用意しておくべきだ。

しかし、民主党側に根回しをしていなかったので(民主党側の法案修正は全て彼らの中で根回し済みであり、共和党側のイチャモン以外はほとんどなく、全てシャンシャンで通ってしまいます)、色々と質問攻めにあってしまいます。さらに彼らはその場でバンバン修正案を出してきて「Taka、これでどうだ?」などと言ってくるので最後には適当に「YES、OK. OK.」とダメなJapanese感満載で答えていたら私が出したのとは何だか違う形になって採用されてしまいました(取締役会の責任だとか、株主責任とか入ってごちゃごちゃな修正案に)・・

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コメント

コメント877. GeorgeMAILURL|2017/03/22 07:19

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プロフィール

山崎 貴弘
山崎貴弘(やまさき たかひろ)
MPI(Management Policy Institute)フェロー。2002年京都大学法学部卒業。現在、ハーバード大学Kennedy School of Government、MPP(Master in Public Policy)プログラム在籍中。Ezra Vogel教授の元で開催されるハーバード松下村塾幹事(2007年度)。
MPI:http://www.mpi-net.org/

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